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モルタル外壁の塗装方法|ひび割れしやすい理由と下地補修

モルタル外壁の塗装方法|ひび割れしやすい理由と下地補修

「外壁に細いひびがたくさん入っている」「ひび割れの部分から黒ずんできた」というご相談は、モルタル外壁のお住まいからとても多くいただきます。モルタル外壁は、サイディングが主流になる前の1990年代頃まで広く使われており、松戸市や市川市、船橋市などでも築25年以上の住宅を中心に今も多く残っています。

この記事では、モルタル外壁の構造と、なぜひび割れしやすいのかという理由、ひび割れの幅による対処の違い、塗り替え前に欠かせない下地補修の方法、そして塗装の工程や費用の目安まで、順を追って解説します。

モルタル外壁とはどんな外壁材?

モルタルとは、セメントと砂を水で練り合わせた材料のことです。モルタル外壁は、柱や間柱に下地板を張り、その上に防水紙と「ラス」と呼ばれる金網を取り付け、職人がモルタルを塗り重ねて仕上げる「湿式工法」の外壁です。サイディングのように板を張るのではなく、現場で塗って形づくるため、継ぎ目のない一体感のある壁になります。

仕上げの模様も豊富で、スプレーで吹き付ける「リシン」や「スタッコ」、ローラーや鏝(こて)で模様をつける「吹き付けタイル」「鏝仕上げ」など、表情のある外観がつくれるのが魅力です。耐火性が高く、適切に手入れをすれば長く使える外壁材ですが、モルタル自体には防水性がなく、表面の塗膜で雨水を防いでいるという点はサイディングと共通しています。

モルタル外壁の断面(室内側 → 屋外側) 柱・間柱(構造材) 下地板(構造用合板など) 防水紙(透湿防水シート) ラス(金網) モルタル(厚み15〜20mm) 塗膜(下塗り+上塗り) 家を支える骨組み 雨水の最後の砦 モルタルを壁に固定 乾燥収縮でひび割れが発生 ここが防水の要 ▲ 塗膜が劣化すると、モルタルが雨水を吸い込みはじめる

図:モルタル外壁の層構造(一般的な木造住宅の例)

モルタル外壁がひび割れしやすい理由

モルタル外壁の最大の弱点は、ひび割れ(クラック)が起こりやすいことです。一番大きな理由は「乾燥収縮」です。水で練ったモルタルは、乾燥する過程で水分が抜けて少しずつ縮みます。この縮む力に耐えきれず、表面に細かいひびが入るのです。新築から数年のうちに現れるヘアクラックの多くは、この乾燥収縮によるものです。

もう一つの理由は、建物の動きです。木造住宅は、地震や強風、車の振動、季節による木材の伸び縮みなどで常にわずかに動いています。モルタルは硬くて粘りのない材料のため、この動きに追従できず、窓の角や壁の端など力が集中する場所からひびが入ります。また、塗膜が劣化して雨水を吸うようになると、水の凍結や膨張でひびが広がる「劣化の連鎖」も起こります。

つまり、モルタル外壁のひび割れは「不良工事だから起こる」というより、材料の性質上ある程度は避けられないものです。大切なのは、ひびをゼロにすることではなく、ひびの幅と深さを見極めて、雨水が入らないよう適切に処置することです。

モルタル外壁のひび割れ発生から下地補修、塗装仕上げまでの流れ
ひび割れの発生(左)、下地補修(中央)、塗装仕上げ(右)。補修を省いて塗るだけでは、ひびはすぐに再発します。

ひび割れの種類と幅別の対処法

ひび割れは、幅によって危険度と対処法が変わります。一般的に、幅0.3mm未満のものを「ヘアクラック」、0.3mm以上のものを「構造クラック」と区別します。0.3mmという数字は、名刺の厚さとほぼ同じです。これより細いひびは塗膜の表面にとどまることが多く、太いものはモルタルの奥まで達している可能性があります。

項目ヘアクラック(幅0.3mm未満)構造クラック(幅0.3mm以上)
主な原因塗膜や表面モルタルの乾燥収縮建物の動き、地盤の沈下、下地の劣化
深さ浅い(塗膜〜表面)深い(モルタル内部〜下地に達することも)
雨水侵入のリスク低い〜中程度高い
基本の対処微弾性フィラーで埋めて塗装Uカットシール工法などで補修後に塗装
緊急性塗り替え時にまとめて処置早めの診断・補修が必要

ご自宅のひびの幅を知りたいときは、名刺や厚紙を当ててみると大まかな目安になります。ただし、幅が細くても本数が多い場合や、ひびに沿って黒ずみや白い粉(エフロレッセンス)が出ている場合は、内部に水が回っているサインです。幅だけで安心せず、全体の状態を見て判断してもらいましょう。

ひび割れ以外に見られるモルタル外壁の劣化症状

モルタル外壁の劣化はひび割れだけではありません。手で触ると白い粉がつく「チョーキング」は、塗膜の防水性が落ちたサインで、塗り替え時期の目安になります。また、塗膜がぷくっと膨れたり、めくれたりしている場合は、塗膜の下に水分が入り込んでいる可能性があります。

特に注意したいのが「浮き」と「剥離」です。モルタルが下地のラスから部分的に離れてしまい、叩くと空洞のような音がする状態です。浮きが進むとモルタルの塊が落下する危険があるため、塗装の前に必ず補修しなければなりません。現地調査で打診棒を使って壁を叩いて回るのは、この浮きを確認するためです。そのほか、北側に発生するコケやカビ、金属部分の錆が流れた汚れなども、劣化の進行を示す症状です。

塗り替え前に欠かせない下地補修の方法

モルタル外壁の塗装でもっとも重要なのが、塗る前の下地補修です。ひび割れを放置したまま上から塗装しても、塗膜はひびの動きについていけず、早ければ1〜2年で同じ場所に再びひびが現れます。補修方法は、ひびの幅や深さに応じて使い分けます。

ヘアクラックの補修

幅0.3mm未満のひびは、下塗りに使う「微弾性フィラー」という厚みのある塗料で埋める処理が一般的です。ひびの部分にフィラーを刷り込むように塗り、表面を平らに整えます。本数が多い場合でも、壁全体にフィラーを塗ることでまとめて処置できます。

構造クラックの補修(Uカットシール工法)

幅0.3mm以上の深いひびは、電動工具でひびに沿ってU字型に溝を掘り、そこにプライマーを塗ってからシーリング材を充填し、表面をモルタルや樹脂で平らにならす「Uカットシール工法」で補修します。あえて溝を広げるのは、シーリング材に十分な厚みを持たせて、建物の動きに追従できるようにするためです。手間はかかりますが、再発を防ぐにはもっとも確実な方法です。

浮き・剥離の補修

モルタルが浮いている部分は、専用のピンや樹脂を注入して下地に固定したり、範囲が広い場合は浮いた部分を撤去してモルタルを塗り直したりします。既存の模様に合わせて仕上げを再現する必要があるため、職人の技術が問われる工程です。

下地補修を終えた外壁に塗装している様子
補修箇所をならしたうえで下塗りから塗り重ねます。補修跡が目立たないよう、模様合わせを行うこともあります。

モルタル外壁に適した塗料と下塗り材

モルタル外壁の塗装では、「ひびの再発を抑えること」を念頭に塗料を選びます。下塗りには、前述の微弾性フィラーがよく使われます。厚みがあって小さなひびを埋められるうえ、乾いた後もゴムのような柔らかさがあり、建物の動きにある程度追従できるからです。表面が脆くなっている場合は、先に浸透性のシーラーで固めてからフィラーを塗ることもあります。

上塗りには、シリコン塗料やフッ素塗料、無機塗料など一般的な塗料が使えます。耐用年数の目安は、シリコンで10〜15年、フッ素で15〜20年、無機で20〜25年程度です。ひび割れが特に多い外壁には、塗膜自体がゴムのように伸びる「弾性塗料」を選ぶ方法もあります。ただし、弾性塗料は通気性が低いため、下地に湿気が残っていると膨れの原因になることがあり、使いどころの見極めが必要です。

ポイント

モルタル外壁の塗装は、上塗りの塗料グレードよりも「下地補修と下塗り材の選定」で仕上がりと持ちが決まります。見積書で下地補修の内容と下塗り材の名称を確認しましょう。

モルタル外壁の塗装工程

モルタル外壁の塗り替えは、おおむね以下の流れで進みます。30坪程度の住宅で、工期は天候にもよりますが2週間前後が目安です。

  1. 足場の設置・養生安全に作業するための足場を組み、窓や植木を養生シートで保護します
  2. 高圧洗浄チョーキングの粉、コケ、汚れを落とし、塗料が密着しやすい状態にします
  3. 下地補修ひび割れをフィラーやUカットシール工法で補修し、浮きを固定します
  4. 下塗り微弾性フィラーやシーラーを塗り、小さなひびを埋めて上塗りとの密着をよくします
  5. 中塗り上塗り塗料の1回目。塗膜の厚みを確保します
  6. 上塗り上塗り塗料の2回目。色ムラをなくし、規定の塗膜厚で仕上げます
  7. 付帯部の塗装・点検雨樋や破風板などを塗装し、全体を点検してから足場を解体します

塗装は「下塗り・中塗り・上塗り」の3回塗りが基本です。中塗りを省いて2回で仕上げると塗膜が薄くなり、耐用年数が大きく縮んでしまいます。工程ごとの写真を撮って報告してくれる業者であれば、きちんと3回塗られているかを確認できて安心です。

モルタル外壁の塗装費用と塗り替え時期の目安

モルタル外壁の塗装費用は、30坪程度の住宅で80〜150万円程度が一般的な目安です。内訳は、足場が15〜25万円程度、高圧洗浄・養生・塗装の本体工事、それに下地補修費が加わります。ひび割れの本数が多かったり、Uカットシール工法が必要な箇所が多かったりすると、下地補修費は数万円から十数万円程度上乗せされることがあります。

塗り替え時期の目安は、前回の塗装から10年前後です。モルタルは塗膜が切れるとすぐに水を吸ってしまうため、チョーキングやひび割れが目立ちはじめたら、先延ばしにせず診断を受けることをおすすめします。ひびが浅いうちに塗り替えれば、下地補修の費用も最小限で済みます。

塗り替えが完了したモルタル外壁の住宅
下地補修と3回塗りで仕上げたモルタル外壁。ひび割れの跡も目立たなくなりました。

松戸市でモルタル外壁の塗装をお考えの方へ

モルタル外壁は、乾燥収縮や建物の動きによってひび割れが起こりやすい外壁材です。しかし、ひびの幅と深さを見極めて適切に補修し、柔軟性のある下塗り材と3回塗りで仕上げれば、再発を抑えながら長く守ることができます。塗料のグレード以上に、下地補修の丁寧さが仕上がりと耐久性を左右します。

松戸市の二瓶工務店では、モルタル外壁のひび割れや浮きを打診棒やクラックスケールを使って一か所ずつ確認し、補修方法と費用を明記したお見積もりをお出ししています。松戸市、市川市、船橋市など千葉県北西部で、「外壁のひびが気になる」「築年数が経っているので状態を知りたい」という方は、無料診断をお気軽にご利用ください。

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