日本ペイント・関西ペイント・エスケー化研の違い|塗料メーカーの選び方
外壁塗装の見積書を見ると、「日本ペイント パーフェクトトップ」「関西ペイント アレスダイナミックTOP」「エスケー化研 プレミアムシリコン」のように、塗料メーカーの名前と商品名が並んでいます。この3社は、日本の建築用塗料の中でも特によく使われるメーカーですが、「どこが違うのか」「どのメーカーを選べば安心なのか」と聞かれると、答えに困る方がほとんどではないでしょうか。
この記事では、3社それぞれの成り立ちや得意分野、代表的な製品の傾向といった客観的な特徴を整理したうえで、施主の立場で「メーカーをどう考えればよいか」を解説します。先にお伝えすると、3社に明確な優劣はありません。大切なのは、メーカー名よりも「どのグレードの、どの製品を、どう施工するか」です。
塗料メーカーは「国内大手3社」が中心
日本には建築用塗料を製造するメーカーが数多くありますが、戸建て住宅の塗り替えで使われる塗料は、日本ペイント、関西ペイント、エスケー化研の3社の製品が多くを占めています。いずれも長い歴史を持ち、全国の塗料販売店を通じて製品が流通しているため、どの地域の塗装業者でも入手しやすく、施工実績が豊富なことが共通点です。
この3社以外にも、ロックペイント、大日本塗料、アステックペイント、プレマテックスなど、特色ある製品を展開するメーカーがあります。業者によって提案の中心となるメーカーが異なるのは珍しいことではなく、取引先や施工経験によって得意なメーカーが分かれているのが実情です。
3社の基本的な特徴を把握しておくと、見積書の商品名や業者の説明を理解しやすくなります。
日本ペイントの特徴|長い歴史と幅広い製品群
日本ペイントは、1881年(明治14年)に創業した、日本で最も歴史の長い塗料メーカーのひとつです。建築用塗料にとどまらず、自動車用、船舶用、工業用など幅広い分野で塗料を製造しており、世界的にも大きな規模を持つグループとして知られています。
戸建て住宅向けでは、紫外線による塗膜の劣化を抑える「ラジカル制御」技術を採用した「パーフェクトトップ」が代表的な製品として広く知られています。このほか、シリコン塗料の「ファインシリコンフレッシュ」や「水性シリコンセラUV」、フッ素塗料の「ファイン4Fセラミック」、無機系の「パーフェクトセラミックトップG」、屋根用の遮熱塗料「サーモアイ」シリーズなど、グレードごとに製品がそろっているのが特長です。
流通面では全国に販売網を持ち、カタログや色見本帳も充実しています。一般の方向けの知名度が高く、「聞いたことのあるメーカーが安心」という方には分かりやすい選択肢です。
関西ペイントの特徴|自動車用塗料でも知られる総合メーカー
関西ペイントは、1918年(大正7年)に大阪で創業した総合塗料メーカーです。日本ペイントと並ぶ国内大手で、特に自動車用塗料の分野で大きな存在感を持っています。建築用塗料でも長い実績があり、住宅向けの製品は「アレス」というブランド名で展開されているのが特徴です。
代表的な製品としては、ラジカル制御形の「アレスダイナミックTOP」、水性シリコン塗料の「アレスアクアセラシリコン」や「セラMシリコン」シリーズ、無機系の「アレスダイナミックMUKI」、屋根用遮熱塗料の「アレスクール」シリーズなどが挙げられます。製品名の頭の「アレス」が関西ペイントの建築用塗料の目印です。
流通面でも全国の販売店網を通じて供給されており、塗装業者にとって入手しやすいメーカーです。自動車用で培った技術を建築用にも展開している点がよく紹介される特徴です。
エスケー化研の特徴|建築用仕上げ材の専門メーカー
エスケー化研は、1955年(昭和30年)に創業した、大阪府に本社を置くメーカーです。日本ペイントや関西ペイントが自動車用や工業用も手がける総合メーカーであるのに対し、エスケー化研は建築用の塗料・仕上げ材を専門としている点が大きな違いです。外壁の塗り替え用塗料だけでなく、新築時の外壁仕上げ材(吹き付け材や意匠性の高い塗り壁材)、断熱材、耐火材なども扱っています。
住宅向けの代表的な製品には、ラジカル制御形の「プレミアムシリコン」、弱溶剤系シリコン塗料の「クリーンマイルドシリコン」、水性の「水性セラミシリコン」、フッ素塗料の「クリーンマイルドフッソ」、無機系の「エスケープレミアム無機」、屋根用遮熱塗料の「クールタイト」シリーズなどがあります。水性塗料のラインナップが充実していることや、価格帯が比較的手頃な製品が多いことから、塗装業者の間で広く使われています。
また、新築時の外壁仕上げ材に同社の製品が使われているケースも多く、「新築時と同じメーカーで塗り替える」という選択がしやすいのも特徴です。
3社の特徴を比較表で整理
ここまでの内容を表にまとめます。一般的に知られている特徴の整理であり、性能の優劣を示すものではありません。性能は同じメーカーでもグレードや製品によって大きく異なります。
| 項目 | 日本ペイント | 関西ペイント | エスケー化研 |
|---|---|---|---|
| 創業 | 1881年 | 1918年 | 1955年 |
| 事業の広がり | 建築・自動車・工業など総合 | 建築・自動車・工業など総合 | 建築用仕上げ材に特化 |
| 住宅向けブランドの目印 | 「パーフェクト」「ファイン」など | 「アレス」で始まる製品名 | 「クリーンマイルド」「プレミアム」など |
| ラジカル制御形の代表製品 | パーフェクトトップ | アレスダイナミックTOP | プレミアムシリコン |
| 屋根用遮熱塗料 | サーモアイ | アレスクール | クールタイト |
| 一般的な印象 | 知名度が高く製品群が幅広い | 技術力と総合力 | 建築専門で水性製品が充実 |
表を見ると分かるように、3社ともシリコン・フッ素・無機といったグレード、ラジカル制御や遮熱といった機能について、それぞれ対応する製品をそろえています。つまり、「このメーカーにしかない機能」は多くなく、同じグレード・同じ機能の製品であれば、期待できる性能は大きく変わらないと考えてよいでしょう。
メーカーよりも大切な「グレード」と「製品」
施主の方からよく「どのメーカーが一番良いですか」と聞かれますが、正直にお答えすると、メーカーの違いよりも「どのグレードの製品を選ぶか」の方が、耐用年数や費用への影響はずっと大きいです。たとえば、日本ペイントのシリコン塗料と関西ペイントのシリコン塗料の差より、同じ日本ペイントのシリコン塗料とフッ素塗料の差の方が、はるかに大きいということです。
また、同じメーカー・同じグレードの中にも、水性と溶剤系、1液型と2液型、艶あり・艶消しといった種類があり、外壁材の種類や劣化状態によって適した製品は変わります。たとえば、劣化が進んだ外壁には密着性の高い溶剤系が向く場合がありますし、においを抑えたい住宅密集地では水性が選ばれることが多くなります。
ポイント
見積書で確認すべきは「メーカー名」だけではなく「商品名」と「グレード」です。商品名が分かれば、メーカーのホームページで耐用年数の目安や仕様を自分で調べることができます。
塗料選びの考え方|5つのステップ
では、どのような順番で考えればよいのでしょうか。おすすめは、メーカーから入るのではなく、「暮らしの条件」から出発して、最後にメーカーと製品名を確認する順番です。下の図は、その流れを整理したものです。
図:塗料選びの考え方の流れ
最初に決めるのは、あと何年この家に住むのか、塗装にかけられる予算はどのくらいか、という暮らしの条件です。次に、その条件に合うグレードを選び、遮熱や低汚染などの機能が必要かを検討します。そのうえで、現地調査で確認した外壁材や劣化状態に合う製品を業者と一緒に絞り込み、最後に見積書に書かれたメーカー名・商品名・塗り回数を確認する、という流れです。
この順番で考えれば、「有名だから」という理由だけで決めてしまったり、業者が勧めるメーカーに不安を感じて迷い続けたりすることが少なくなります。
業者が特定のメーカーを勧める理由
見積もりを取ると、業者によって提案されるメーカーが異なることがよくあります。これは、業者ごとに取引している塗料販売店が異なる、長年使い慣れていて施工のコツを熟知している製品がある、といった理由によるもので、多くの場合は自然なことです。使い慣れた塗料の方が仕上がりは安定しやすいとも言えます。
ただし、「このメーカー以外は絶対に良くない」といった極端な説明や、他のメーカーの製品を根拠なく否定するような説明には注意が必要です。前述のとおり、大手3社はいずれも同等のグレード・機能の製品をそろえています。特定のメーカーを勧める理由を質問したときに、外壁の状態や施工のしやすさといった具体的な理由を説明してもらえるかどうかが、業者を見極めるひとつの目安になります。
「このメーカーの製品を使いたい」というご希望があれば、遠慮せずに伝えてみましょう。多くの業者は複数のメーカーを扱えるため、希望の製品で見積もりを出し直してもらえることも珍しくありません。
松戸市・千葉県北西部での塗料選びの傾向
松戸市や柏市、流山市などの千葉県北西部は住宅密集地が多く、隣家との距離が近いお住まいが目立ちます。そのため、施工中のにおいに配慮して、どのメーカーでも水性塗料が選ばれることが多い地域です。大手3社はいずれも水性のシリコン塗料やラジカル制御形塗料をそろえているので、メーカーにかかわらず選択肢は十分にあります。
また、夏の日差しが強いことから、屋根には各メーカーの遮熱塗料を検討される方も多くいらっしゃいます。外壁と屋根で同じメーカーにそろえる必要はありませんが、同じメーカーで統一すると色の組み合わせが見本帳で確認しやすい、保証の説明が分かりやすいといった利点があります。地域の気候や外壁材を踏まえて提案できる業者に相談すれば、メーカー選びの迷いはかなり減るはずです。
松戸市で塗料メーカー選びに迷ったら二瓶工務店へ
日本ペイント、関西ペイント、エスケー化研は、いずれも長い歴史と全国的な流通網を持ち、シリコンから無機まで同等のグレードの製品をそろえた信頼性の高いメーカーです。3社の間に明確な優劣はなく、塗料選びで本当に大切なのは、住み続ける年数と予算に合ったグレードを選び、外壁の状態に合う製品を、仕様どおりに施工することです。
松戸市の二瓶工務店では、大手メーカー各社の製品を取り扱い、現地調査の結果とご予算に応じて、複数のメーカー・グレードでのお見積もりをご提案しています。「見積書に書かれた塗料がどんな製品か知りたい」「別のメーカーの製品と比較したい」といったご相談も歓迎です。診断・お見積もりは無料ですので、お気軽にお問い合わせください。